コンバージョン偏差値スキャナーコラム

2026.09.12 約9

20業種603サイトを診断したら、H1が「無い」「重複」「titleと矛盾」のどれかに該当するサイトが88%だった

実際に診断した603サイトの実測データから、H1見出しの欠落・重複・title不整合を集計しました。88%のサイトが3つの問題のどれかを抱えており、原因の多くはテンプレートの崩れにあります。

「H1タグはちゃんと入れています」という会社は多いです。ですが、それがそのページ固有の見出しになっているかtitleタグと矛盾していないかまで確認している会社は、実はそう多くありません。

推測ではなく実測で確かめるために、20業種603サイトを同じ基準で診断しました。中小企業の店舗サイトから上場企業のコーポレートサイトまで、業種ごとに30サイトずつです。

結果は、603サイト中531件、88%が、H1の「欠落」「重複」「titleとの不整合」のいずれかに該当していました。この記事の数字はすべて、2026年9月時点・603サイトの実測値です。

H1/title整合という評価項目

診断では50項目のチェックリストのうち、「H1/title整合」という1項目でこの問題を見ています。判定基準は次の3点です。

  1. H1があるか:そのページに見出し(H1)が1つも無いページがないか
  2. H1が1つに定まっているか:1ページの中にH1が複数個ある状態になっていないか
  3. titleとH1が整合しているか:ページのtitleタグとH1が、同じ話題を指しているか

実際の判定ロジックでは、日本語は単語分割が難しいため、titleとH1をそれぞれ記号を除いた文字列にしたうえで、2文字単位の並び(バイグラム)がどれだけ共通しているかで「同じ話題を指しているか」を機械的に判定しています。共通する文字の並びが30%未満で、かつH1の冒頭6文字がtitleに含まれてもいない場合は「不一致」と判定します。さらに、複数ページのH1を比較して、同じ文言のH1を使い回しているページがどれだけあるかも数え、重複1件につき評価点を15点減点する仕組みです。

見た目のインパクトが小さい項目に見えますが、603サイトを見た結果、ここは想像以上に崩れていました。

実際の点数はどう出るか

たとえば10ページのサイトで、8ページはH1とtitleが整合していて、2ページで話題がずれていたとします。整合率は8/10で80点。ここに、3ページで同じH1が使われていた場合(重複は2件とカウント)、さらに30点(15点×2件)が差し引かれ、最終スコアは50点になります。重複が4件になれば、単純計算では80点から60点を引くことになり、スコアは0点まで落ち込みます。H1の重複は、他のどの判定要素よりも重く効く減点要因だということです。

実測:603サイト中209件が低評価、531件が何らかの問題を抱えている

まず、この項目の評価点(100点満点)を見ると、603サイト中209件、35%が40点以下の低評価でした。

そして、評価点そのものより実態が分かりやすいのが、個別の判定内訳です。

H1の欠落・重複・title不整合、それぞれの該当率

判定項目 該当サイト数 該当率
H1が無いページを含む 372件 62%
titleとH1が不一致 238件 39%
H1が複数ページで重複 114件 19%
いずれかに該当 531件 88%

表① H1/title整合の判定内訳(603サイト中)

最も多いのは「H1が無いページを含む」で372件、62%です。サイト全体でH1が皆無というより、下層ページの一部でH1が抜けているケースが大半でした。次に多いのがtitleとH1の不一致で238件、39%。そして複数ページで同じH1を使い回している重複が114件、19%です。

3つの問題は互いに独立していて重なることも多いため、単純に足し合わせると603件を超えます。しかし「いずれか1つでも該当するか」で数えると531件、**88%**になります。10社中9社近くが、この項目のどこかで引っかかっているということです。

なぜH1はテンプレートで崩れやすいのか

構造化データと違って、H1タグ自体を「入れていない」会社はほとんどありません。ほぼ全ページにH1らしきものは存在します。問題は、その中身と使い方です。診断で実際に見えてきたパターンを、判定基準に沿って3つに整理します。

H1が崩れる3つのテンプレートパターン

パターン1:ロゴ画像がH1になっていて、実質「H1なし」と同じ状態

多くのテンプレートは、ヘッダー部分のロゴを<h1>タグで囲む作りになっています。SEOの入門知識として「H1はページに1つ」「トップページのH1はサイト名でよい」という理解が広まった結果、ロゴ画像をそのままH1にする実装が定番化しました。

これ自体はトップページなら大きな問題ではありません。しかし、この構造をテンプレートごと全ページに引き継ぐと、下層ページでもH1の中身が画像1枚だけになります。画像に代替テキストが設定されていなければ、そのページの見出しは文字としては実質「空」です。診断側の判定でも、抽出できる見出しテキストが無いページは「H1なし」として扱われます。62%という数字の内訳の多くは、こうした下層ページで起きています。

トップページはロゴでよくても、下層ページのH1は「そのページが何のページか」を文字で示す役割です。ここが画像に置き換わっている場合、ページごとに固有の見出しを文字として持たせる必要があります。

パターン2:複数ページで同じH1を使い回している

CMSでページを量産すると、H1がテンプレートの一部として固定され、個別ページで書き換えられないまま公開されるケースが起こります。典型は次のような状態です。

判定ロジックでは、各ページの最初のH1テキストを集めて、重複している件数を数えます。今回の実測では114件、19%のサイトでこの重複が見つかりました。これは単なる減点対象ではなく、実害があります。検索エンジンやAIは、H1をそのページの主題を示す最有力のシグナルとして扱います。全ページで同じH1が並ぶということは、機械から見るとそのサイトに「同じページが何十枚もある」ように映るということです。個々のページが本来持っているはずの検索での見つかりやすさを、テンプレート側が奪っている状態です。

パターン3:titleは検索対策、H1はデザイン都合で、別々に決められている

制作の現場では、titleタグとH1タグを別の担当者・別のタイミングで決めることがよくあります。titleはSEO担当者や制作会社が検索キーワードを意識して設定し、H1はデザイナーがビジュアル上の見出しコピーとして書く、という分業です。

その結果、titleには具体的なサービス名や地域名が入っているのに、H1は「私たちの想い」「お客様第一主義」といったキャッチコピーになっている、というズレが起こります。人間が読めば同じページの話だと分かっても、機械的に文字列を比較すると共通する語句がほとんど無い状態です。今回、603サイト中238件、39%がこの不一致に該当しました。

titleとH1が一致している必要はありませんが、同じ話題を指している必要はあります。titleに入れたキーワードは、H1にも自然な形で含めるのが基本です。

良いH1・悪いH1の具体例

判定のイメージがつきやすいよう、架空の例で整理すると次のようになります。

状態 title H1 判定
悪い例 渋谷区の税理士事務所|法人決算・相続相談 お客様第一主義 不一致(共通する語句がほぼ無い)
悪い例 サービス詳細|◯◯(複数ページで共通) サービス一覧 重複(全ページ同一のH1)
良い例 相続税申告サポート|渋谷の税理士事務所 相続税申告サポート 整合

表② titleとH1の整合パターン(イメージ・架空の例)

titleにキャッチコピーだけを置き、H1に具体名を置く、あるいはその逆でも構いません。大事なのは、どちらか一方にしか具体的な話題(サービス名・地域名・商品名など)が出てこない状態を避けることです。

H1の軽視は、AI検索の時代にはより不利に働く

検索エンジンだけを見ていた時代は、H1がやや崩れていても、他のシグナル(本文中のキーワードや被リンクなど)で補われる余地がありました。しかしAIが複数ページを横断して回答を組み立てる場面では、機械がページの主題を素早く特定できるかどうかが、そのまま「参照されるかどうか」に直結します。

H1は、本文を全部読まなくても「このページは何の話か」を一瞬で判断できる、最も明確なシグナルです。そこが画像で潰れていたり、他ページと同じ文言で埋まっていたり、titleと矛盾していたりすると、機械はそのページを正しく分類できません。人間の目には「ちゃんと見出しがある」ように見えても、機械には主題不明のページとして扱われている、というギャップがここにあります。

あなたのサイトではどう判断するか

この項目は、他の多くの評価軸と違って、専門的な知識がなくても自分の目で確認できるという特徴があります。次の3つを、実際にページを開いて見てください。

1. 下層ページのH1が「画像」になっていないか

ページのソースを右クリックして「検証」で確認するか、見出し部分を選択してコピーしてみてください。文字が選択できずロゴ画像しか選べない場合、それはH1が画像扱いになっている可能性があります。特に、会社概要ページ、サービス詳細ページ、店舗ページなど、テンプレートを流用しがちなページ群は要確認です。

2. 似た構成のページを2〜3枚並べて見出しを比較する

サービス詳細ページや拠点ページなど、同じテンプレートで作られたページを開いて、見出し文言を比べてください。ページが変わっても見出しが同じ文言のままなら、それは重複です。ページごとの固有名詞(サービス名、拠点名、商品名など)が見出しに反映されているかを確認します。

3. titleタグとH1が同じ話題を指しているか

ブラウザのタブに表示される文言(title)と、ページ上部の見出し(H1)を見比べてください。titleには具体的なサービス名・地域名・商品名が入っているのに、H1が抽象的なキャッチコピーだけになっている場合は不一致の可能性が高いです。

とはいえ、この3点を全ページ分、手作業で見比べるのは現実的ではありません。何十ページもあるサイトなら、無料診断にURLを入れれば、全ページのH1とtitleを機械的に突き合わせて、欠落・重複・不一致を一覧で洗い出せます。

H1を含むサイト基盤の軸が、他の3軸や20業種の中でどう位置づけられるかは、20業種603サイトの業種別ベンチマーク総覧にまとめています。

直しやすい割に、後回しにされやすい

この項目の実務上の特徴は、構造化データのようにマークアップの知識が要らず、HTMLの見出し部分の文言を書き換えるだけで直せることです。デザインを崩さず、開発コストもほとんどかかりません。それでも603サイト中531件、88%が未対応のまま残っているのは、多くの場合「気づいていない」からです。

titleタグは検索結果に表示されるため、担当者の目に触れる機会が多くあります。一方でH1は、ページを開いて中身を見ないと気づけません。見た目上は普通に見出しが表示されているので、それがロゴ画像なのか、他のページと同じ文言なのか、titleと話が合っているのかは、意識して確認しない限り誰も気づきません。

私たちが公開しているコンバージョン偏差値スキャナーでは、URLを入力するだけで、この記事で使った603サイトと同じ基準の診断を受けられます。H1/title整合を含む「サイト基盤」の10項目に加えて、SEO集客・LLMO(AI検索)・UI/UXの4軸50項目を採点し、同業種の中での偏差値として結果が出ます。登録は不要で、2〜3分で画面に表示されます。

まとめ

まずは自社サイトの現在地を確認するところからです。URLを入れるだけの無料診断で、同業種の中での位置が偏差値で分かります。

Free diagnosis

自社のホームページの急所は、どこか

この記事で触れた項目を含む4軸50項目を、URLひとつで採点します。結果はその場で表示。所要時間は2〜3分です。

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滝沢 哲平の写真

記事の監修

CROディレクター

2007年、Eコマースビジネスの立ち上げを機にWeb解析の世界に触れ、以降、サイト分析から改善アクションのPDCAを粘り強く回し続けた結果、1年で2億円規模の事業へと成長させる。

10年以上にわたり、中小企業から大企業まで累計100社を超えるBtoB企業のコンバージョン率改善(CRO)で成果を上げている。

近年はAIを活用した分析・改善業務の効率化と、生成AI検索時代のマーケティング戦略に注力。

この診断プログラムは、普段の有償コンサルティングで最初に確認している観点を、そのまま自動化したものです。採点基準と改善提案の文面を監修しています。

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