コンバージョン偏差値スキャナーコラム

2026.09.12 約8

20業種603サイトを診断したら、ヘッダーCTAは0点と90点にきれいに二極化していた

実際に診断した603サイトの実測データで、ページをまたいだときのヘッダーCTA一貫性を集計しました。低評価は33%(197件)。中間がほとんど無く、0点と90点にきれいに割れる二極化が起きています。

トップページの問い合わせボタンは押しやすい位置にあるのに、サービス詳細ページや会社概要ページに移動した瞬間、そのボタンが消えている。あるいは文言が「お問い合わせ」から「資料請求」に変わっていて、押した先の遷移も違う。

こうした「ページをまたいだときのCTAのブレ」は、見た目の崩れと違って気づかれにくい割に、機会損失としては地味に大きいものです。今回はこれを実測しました。

この記事の数字はすべて、2026年9月時点・603サイトの実測値です。

603サイトの実測:ヘッダーCTAには「中間」がほとんど無い

診断では、サイト内の複数ページをサンプリングして、ヘッダー(または追従バー)に共通のCTAがあるか、あってもページごとに文言や有無がブレていないかを採点しています。

603サイトのうちこの項目で採点できた593件を対象に集計すると、次のようになりました。

ヘッダーCTA一貫性スコアの分布。0点と90点に二極化している

区分 件数 割合
低評価(40点以下) 197件 33%
高評価(70点以上) 312件 53%
うち0点 119件 20%
うち90点以上 312件 53%

表① ヘッダーCTA一貫性スコアの分布(593サイト・100点満点)

見てのとおり、評価は0点と90点にきれいに二極化しています。593件のうち90点台(実質90点)が312件で過半数を占める一方、197件(33%)は40点以下の低評価で、そのうち119件は0点でした。中間の41〜69点に該当するのはわずか84件、全体の14%しかありません。

「そこそこできている」サイトがほとんど存在せず、「全ページで揃っている」か「まったく揃っていない」かのどちらかに寄っている。これがヘッダーCTAという項目の実態です。

なぜ二極化するのか、採点の中身で説明できる

この二極化には理由があります。診断では各サイトについて、サンプリングしたページのうち何ページにヘッダー(または追従)CTAがあったか、かつそのCTAの文言がページ間で共通していたかを見ています。

実測データを評価の内訳で分けると、593件のうち337件はサンプリングした全ページにCTAが存在していました。ただしその337件のうち、CTAの文言まで全ページで共通していたのは312件にとどまり、残り25件は「CTAはあるが、ページによって文言が違う」状態でした。これが90点と65点前後の評価を分けています。

一方、サンプリングしたページの一部にしかCTAが無かったサイトが137件。そして、確認できたどのページにもヘッダーCTAが存在しなかったサイトが119件(0点)です。

つまり0点のサイトの多くは、「文言がブレている」以前に、そもそも一部のページにCTA自体が実装されていないという状態です。トップページには問い合わせボタンがあっても、下層ページに遷移すると跡形もなく消えているケースがこれにあたります。

ユーザーから見ると、何が起きているか

この崩れは、作っている側からは気づきにくいものです。トップページは何度も見直すので、そこにCTAがあることは当然知っています。問題は、そこから先に進んだユーザーの視点です。

サービス詳細ページで料金や実績を読み、気持ちが固まったタイミングでヘッダーを見上げたときにボタンが無ければ、ユーザーは自力で問い合わせページを探すか、そのまま離脱するかのどちらかです。ページ下部まで文言で押し切るサイトなら被害は小さいですが、情報量の多いページほど「近くに導線が無い」ことの影響は大きくなります。ここで言いたいのは、そもそもヘッダーという固定位置の導線が、ページによって在ったり無かったりするという一貫性の話です。

業種別に見ると、飲食が最低・制作系業種が最高

業種別に平均スコアを出すと、業種によって傾向がはっきり分かれました。

業種別のヘッダーCTA一貫性スコア(低い順)

業種 平均スコア
飲食 34点
EC・小売 45点
人材・採用 47点
美容・サロン 49点
観光・宿泊 49点
不動産 49点
結婚式場・ブライダル 52点
整体・治療院 52点
建築・リフォーム 53点
教育・スクール 54点
士業 56点
医療・クリニック 59点
SaaS・クラウドサービス 61点
介護・福祉 61点
自動車販売・整備 64点
製造業 67点
物流・発送代行 70点
歯科 71点
レンタルサーバー・VPS 74点
IT受託・Web制作 74点

表② 業種別・ヘッダーCTA一貫性の平均スコア(20業種・603サイト)

最も低いのは飲食の34点。最も高いIT受託・Web制作、レンタルサーバー・VPSの74点とは、40点の差があります。

この差は単純です。IT受託・Web制作やレンタルサーバー・VPSは、自社の見せ方そのものが商売道具なので、共通ヘッダーやテンプレートの管理が行き届きやすい業種です。対して飲食は、店舗ごとにページを追加したり、メニューや採用情報だけ別のツールで作られたりと、サイト全体を1つの設計で管理する意識が働きにくい業種だと考えられます。

中位の業種にも同じ構図が見えます。EC・小売(45点)は商品ページが数百〜数千に増えるほど、どこかのタイミングで一括生成のテンプレートとヘッダーの手作り部分がずれます。不動産(49点)や観光・宿泊(49点)は、物件・施設ごとに個別ページが量産される業態で、量産の過程でヘッダーの一部が引き継がれないことが起きやすい構造です。逆に士業(56点)や医療・クリニック(59点)のように、ページ数がもともと少なく増減も緩やかな業種は、崩れる機会自体が少ないぶんスコアも安定して中位に収まっています。

なお、読み終えた後に画面を追いかけてくる追従CTAの実装状況については、別記事で扱っています。ここで見ているのは、あくまでページを移動したときに導線が保たれているかという話です。

なぜ複数ページになるとCTAが崩れるのか

診断を10年以上やってきた実務目線で言うと、原因はほぼ決まって次の2つです。

1つ目は、テンプレートが途中で崩れること。 サイトを作る最初の数ページは、デザイナーが1枚のテンプレートから丁寧に展開します。しかし公開後にページが増えていく段階になると、既存ページの複製ではなく、担当者が「早く作らなければ」という理由でCMSの標準レイアウトのまま新規ページを作ってしまうことがあります。ヘッダー部分だけ差し込み忘れる、あるいは別のプラグインが上書きしてしまう、といったことが起きます。

2つ目は、ページ種別ごとに作る担当者が違うこと。 トップページと会社概要は制作会社が作り、採用ページは人事部が別の担当者に発注し、キャンペーンLPはさらに別の代理店が作る。よくある体制です。それぞれの担当者は自分が受け持ったページの見た目には責任を持ちますが、「サイト全体でヘッダーCTAが揃っているか」を横断的にチェックする役目は、たいてい誰の担当にもなっていません。今回、CTAの文言までは全ページで揃っていない337件のうち25件がこのパターンに近いと見られます。

どちらも、個々のページ単体を見ている限りは気づけません。複数ページを横断して比較してはじめて見える問題です。

さらに厄介なのは、この崩れがリニューアル直後には存在しないことです。公開時点ではデザイナーが全ページを見比べて整えているので、揃っていて当然です。崩れるのはその後、半年、1年と運用が続く中で、少しずつページが足され、少しずつ担当者が入れ替わっていく過程でです。つまりヘッダーCTAの一貫性は、一度作って終わりの項目ではなく、運用し続ける限り点検が必要な項目だということになります。

自社サイトではどう判断するか

自社のヘッダーCTAが崩れているかどうかは、実はそれほど手間をかけずに確認できます。トップページ、サービス詳細ページ、会社概要ページ、採用ページ、問い合わせページなど、性質の異なる5〜6ページを開いて、次の3点を見比べてください。

この3点のどこかが崩れていれば、今回のデータで言う低評価〜中位のサイトと同じ状態にあると考えて構いません。

ただし、この方法で分かるのは「今回開いた数ページでは揃っている」ということまでです。自社の業態に対してどの程度のばらつきが典型的か、同業他社と比べて自社が上位なのか下位なのかまでは、目視の比較では分かりません。

私たちが公開しているコンバージョン偏差値スキャナーでは、URLを入力するだけで、この記事で使った603サイトと同じ基準の診断を受けられます。ヘッダーCTAの一貫性を含むUI/UX(CRO)の評価に加えて、SEO集客・サイト基盤・AI検索対策の4軸50項目を採点し、同業種の中での偏差値として結果が出ます。登録は不要で、2〜3分で画面に表示されます。

20業種の総合スコアや、4軸それぞれの位置づけについては業種別ベンチマーク総覧で一覧にしています。

まとめ

複数ページを横断して比較するだけで見えてくる問題なので、直す難易度自体はそれほど高くありません。まずは主要ページを数枚開いて、ヘッダーのCTAを見比べるところから始めてください。URLを入れるだけの無料診断なら、その比較を同業種の偏差値付きで自動化できます。

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自社のホームページの急所は、どこか

この記事で触れた項目を含む4軸50項目を、URLひとつで採点します。結果はその場で表示。所要時間は2〜3分です。

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記事の監修

CROディレクター

2007年、Eコマースビジネスの立ち上げを機にWeb解析の世界に触れ、以降、サイト分析から改善アクションのPDCAを粘り強く回し続けた結果、1年で2億円規模の事業へと成長させる。

10年以上にわたり、中小企業から大企業まで累計100社を超えるBtoB企業のコンバージョン率改善(CRO)で成果を上げている。

近年はAIを活用した分析・改善業務の効率化と、生成AI検索時代のマーケティング戦略に注力。

この診断プログラムは、普段の有償コンサルティングで最初に確認している観点を、そのまま自動化したものです。採点基準と改善提案の文面を監修しています。

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